気づきの種が、思索の木となり、やがて知の森となる。
日々の中に、静かに芽吹く気づきを。
今回は、こちらのひと粒をお届けします。
「自分が何をどう感じるかは100パーセント自分の責任だと言っているわけではありません。
当然、他者の言動に対する反応として何かを感じることはありますし、その中には好ましくないものもあるでしょう。
しかし、だからといって完全に他者のせいということもないのです。
困難や衝突の中でそれぞれの立場を見きわめ、相手の対処法が自分とは異なるという事実を受けいれることが、問題を理解し、解決へ向けて取り組むときの大事な最初の一歩なのです。」― フィリッパ・ペリー『身近な人間関係が変わる 大切な人に読んでほしい本』(日本経済新聞出版, p.70)
たとえば、風邪をひいたり、なんとなく気分が悪かったりするとき。
「しんどくてつらい」と打ち明けたときに、
本当は少し同情してもらえたらうれしい。
「大変だったね」「つらいね」と、ただ気持ちを受けとめてほしい。
けれど、返ってくるのはこんな言葉だったりする。
「風邪薬は?」「ビタミンCをとったほうがいいよ」
「ハチミツとレモンがいいらしい」「鼻洗浄してみたら?」
相手はきっと、よかれと思ってアドバイスしている。
それなのに、なぜか慰められた気がしない。
かえって、自分が一段下に置かれたように感じてしまうことさえある。
――自分もよくこんなアドバイスをしてしまうことがある。
こうしたすれ違いの背景には、
「いま何を求めているか」の違いと、
「困りごとへの対処法がそれぞれ異なる」という事実があります。
感じ方は100パーセント自分の責任でもなく、
かといって100パーセント相手のせいでもない。
相手の立場や対処法は、自分とは違っていて当たり前。
その違いを「間違い」と決めつけずに、まず受け入れてみること。
そこからようやく、問題を理解し、解決へ向けて動き出すことができるのかもしれません。
🌱今日のひと粒
感情は、誰かのせいだけではなく、
ふたりの違いのあいだに生まれる。
その違いを見きわめることが、対話の第一歩。

