🌱1分de知の種 Seed.15(2025.10.28)
~『幸せになる勇気』ふたりで踊るということ~

パートナーシップ

気づきの種が、思索の木となり、やがて知の森となる。
日々の中に、静かに芽吹く気づきを。

今回は、こちらのひと粒をお届けします。

「踊るのです。わかりもしない将来のことなど考えず、存在するはずもない運命のことなど考えず、ただひたすら、目の前のパートナーと『いま』をダンスするのです。
アドラーは、ダンスのことを『ふたりの人間が共同の仕事に参加する遊び』だとして、子どもたちにも広く推奨していました。
愛と結婚は、まさしくふたりで踊るダンスのようなものでしょう。どこへ行くのかなど考えることなく、互いの手を取り合い、今日という日の幸せを、いまという瞬間だけを直視して、くるくると踊り続ける。あなたたちが長いダンスを踊りきった軌跡のことを、人は『運命』と呼ぶでしょう。」

出典:岸見一郎・古賀史健『幸せになる勇気』(ダイヤモンド社, p.225)

息子が寝そうなタイミングで、部屋の灯りをそっと落とす。
息子に寄り添う妻の手元に、必要なものを静かに渡す。
妻はあとで言った。「まさにしてほしいことを、ほしいタイミングでしてくれた」

たぶん、それは大げさなことではない。
でも、こういう瞬間に、ふと「リズムが合った」と感じる。
目と目が合って、少し笑って、同じ拍で呼吸がそろう。

パートナーとの日々は、やっぱりダンスに似ている。

ひとりよがりに踊れば、相手も自分もバランスを崩してしまう。
いつも同じテンポではないし、ステップも変わる。
相手の動きをよく見て、自分の動きを少し変えながら合わせていく。
うまく踊れていると思ったら、突然リズムが変わって転ぶこともある。

相手が転んだら、手を差し伸べて「また一緒に踊ろう」と言いたい。
二人で転んだら、そのまま寝転がってガハガハ笑えばいい。
ちょっと休んで、また立ち上がって、ゆっくり踊りはじめる。
そういう感じが、いいなと思う。


🌱今日のひと粒

完璧な振付はいらない。
「いま」をそろえていく小さな所作が、ふたりの運命の軌跡になる。

タイトルとURLをコピーしました