🌱1分de知の種 Seed.14(2025.10.27)
~変わりゆくものを、愛し直していくということ~

パートナーシップ

気づきの種が、思索の木となり、やがて知の森となる。
日々の中に、静かに芽吹く気づきを。

今回は、こちらのひと粒をお届けします。

「愛は、今日のその、既に違ってしまっている存在を、昨日のそれと同一視して持続する。
鈍感さの故に? 誤解の故に? それとも、強さの故に?
時にはそれが、似ても似つかない外観になろうとも、中身になろうとも、
或いは、その存在自体が失われようとも。──
それとも、今日の愛もまた、昨日とは同じでなく、明日にはもう失われてしまっているのだろうか?
だからこそ、尊いのだと、あなたは言うだろうか。」

出典:平野啓一郎『本心』(株式会社コルク, Kindle版)

パートナーとの良好な関係を築くために大切なことは何か。
その問いに、ひとつの正解はない。
でも、今の私たちはこう考えている。

対話を続け、互いに変わることを恐れず、変わることを楽しむこと。

人は「変わらないもの」に安心を覚え、
一貫性を美徳とし、永遠に変わらない愛を夢見る。
けれど、それは幻想だ。
すべてのものは、少しずつ変わっていく。

「あなたは変わってしまった」——
そう言いたくなることもある。
でも、それは当たり前のことだ。
自分だって、変わっているのだから。

関係を良好に保つには、互いの不断の努力が必要だ。
「自分は特に何もしなくても自然にできている」
もしそう思っているなら、それはきっと思い違い。
あなたの知らないところで、相手は何かを我慢しているかもしれない。

愛も、変わる。
刻一刻と変化し続ける相手、自分、そして関係性を、
そのたびに愛し直していくこと。
愛を誓うとは、きっとその覚悟のことなのだろう。

変わらない関係など、ない。
変わるからこそ、面白く、続けていける。
その変化を、恐れず、楽しもう。


🌱今日のひと粒

愛は、変わらないものではなく、
変わりゆく相手を、何度でも愛し直す力。
そのたびに、私たちは「いま」の愛を生きている。

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