気づきの種が、思索の木となり、やがて知の森となる。
日々の中に、静かに芽吹く気づきを。
今回は、こちらのひと粒をお届けします。
「マネジメントと聞けば、まずは『計画』や『管理』や『統制』といった言葉が思い浮かびますが、物事が『計画』通りに進んで『管理』や『統制』ができるのであれば、そもそもマネジメントは必要ありません。予想もしなかったことが起き、さまざまな障害が立ち現れ、『計画』も『管理』も『統制』もうまくいかないからこそ、『とにかくなんとかする=マネジメント』が必要なのです。」
出典:山口 周『人生の経営戦略――自分の人生を自分で考えて生きるための戦略コンセプト20』(ダイヤモンド社, p.6)
この本は、思い通りにいかない人生を、
それでも「なんとかする」ためのヒントをくれる一冊です。
私たちはしばしば、人生を“計画通り”に動かそうとします。
しかし実際は、予期せぬ出来事が次々と起こり、
「計画」も「管理」も「統制」も思うようにはいきません。
とりわけパートナーとの関係や子育てほど、思い通りにならないものはないかもしれません。
自分のことですらコントロールできないのだから、他者との関係に完璧を求めるのは無理があるのです。
だからこそ必要なのが、家庭のマネジメント——
「どうにもならないときに、どうするか」というルールづくりです。
家庭での小さな仕組み(実例)
お互いに疲れがピークに達する金曜日の夜は、無理をしないと決めています。
仕事や子育ての悩みはいったん脇に置き、好きなものを買って気楽に夕食を済ませる。
考えるべき話は翌日の元気な朝に回すのがルールです。
疲れている時は、何を話しても建設的になりにくい。
だからこそ、「今は考えない」というルールを先に決めておく。
それは諦めではなく、“なんとかする意思”と“仕組み”を持つということ。
小さな共同体(家庭)をマネジメントする、確かな一歩になります。
🌱今日のひと粒
思い通りにいかない時こそ、ルールを決めておく。
無理せず、休みながら、なんとかしていく。
それが、人生のマネジメント。

